漆器の代表格、輪島塗の魅力とは?

「全日本人味噌汁椀輪島塗化計画」ブログでは、輪島塗の食器をもっと普段の食卓で使ってほしいと願い、とくに味噌汁椀こそが輪島塗の魅力が一番伝わると考えている田谷漆器店10代目・田谷昂大が、輪島塗の良さや使い方、味噌汁椀をはじめとするお勧めのアイテムなどをご紹介していきます。

 

漆器と聞いて、まず「輪島塗」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

その名が全国に知れ渡るようになったのは江戸時代、慶事や法事に用いる家具膳(お膳とお椀のセット)を作るようになってからです。その精巧なつくりと丈夫さが全国で評判となり、豪農や豪商の間で輪島塗を持つことがステータスとなっていきました。

今なお高級漆器の伝統工芸品として、国内はもとより海外からも高く評価されている輪島塗。長きにわたって多くのファンを惹きつける、その魅力についてご紹介します。

 

目次

1.職人の分業生産が叶える「強さ」と「美しさ」

2.「木地」と「漆」がもたらす魅力


3.上塗りし直せば新品同様。修理して使い続ける悠久の器

 

1.職人の分業生産が叶える「強さ」と「美しさ」

輪島塗の特徴をひと言であらわすと、堅牢優美(けんろうゆうび)。つまり「強さ」と「美しさ」を両方兼ね備えている点が、魅力の一つといえます。

まずは「強さ」について。

輪島塗の強さを支える最大の特徴が、「本堅地(ほんかたじ)」と呼ばれる下地処理の工程です。

フチなどの破損しやすいところに布を貼って補強する「布着せ」や、布着せしない部分に惣身漆(そうみうるし)を塗って段差をなくす「惣身付け」などを施したあと、下塗りを施します。

この下塗りで用いる下地漆に混ぜる「輪島地の粉(わじまじのこ)」は、輪島塗独自のもの。輪島市で採掘される珪藻土(けいそうど)を焼き締めて砕いた粉末で、漆と混ぜると粒子一つひとつが強固に結びつき、断熱性にも優れた被膜となります。

こうした下地づくりによって、輪島塗が世界に誇る堅牢さを実現しています。


続いては「美しさ」について。

輪島塗を美しく彩る仕上げとして、「漆塗り」と「加飾(かしょく)」があります。

数ある産地のなかでも「塗りの輪島」と称されるほど、漆塗りの技術に定評がある輪島塗。漆塗りの工程には下塗り、中塗り、上塗りの3種類あり、塗りと研ぐ(磨く)工程を何度も繰り返すことで、形をなめらかに整えます。

塗りの工程のうち職人がもっとも神経を使うのが、最終工程の上塗り。外気に左右されない上塗り専用の部屋で、最上質の漆を用いて数種類の刷毛を使い分けながら、全神経を集中させて塗り上げていきます。

さらに輪島塗の美しさを引き立てているのが「加飾」、つまり装飾です。

なかでも「沈金(ちんきん)」は、堅牢な下地をもつ輪島塗だからこそ、豊かな表現が可能とされる技法。
沈金ノミと呼ばれる刃物で彫った文様に漆を擦り込み、金・銀の箔や金粉、銀粉などを埋め込みますが、彫る溝の深さや角度によって立体的に表現することも。

このように、輪島塗が美しさと強さを兼ね備えた漆器として評価を高めたのは、輪島塗独自のシステムである「分業制」によるもの。最大124にも及ぶ工程を専門の職人たちが担当することで技術を磨き上げ、そうした職人たちによる匠の技が一つの器に詰まっています。

■Point
堅牢優美な輪島塗を支える、ていねいな下地づくり

 

2.「木地」と「漆」がもたらす魅力

次にご紹介するのは、輪島塗の主な材料となる「木地」と「漆」がもたらす魅力です。

国が定める「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」によると、一定の要件を満たすものが輪島塗と定められ、その要件には次の2つが含まれています。

・木地はヒバやケヤキ、カツラもしくはホオノキ、またはこれらと同等の材質を有する用材とすること。

・漆は天然漆とすること。

これらの要件は、単に輪島塗を名乗るための約束ごとでなく、優れた機能を維持するうえでも理にかなっています。

まず、木地は自然乾燥で1年ほど寝かせたあとに加工し、さらに乾燥させることで、軽くて丈夫、変形やひび割れを起こしにくくなります。

一方、木地に塗る漆は、じっくりと時間をかけて硬化させ、固まったあとは強靭にパワーアップ。滅多なことでは剥げたり欠けたりしなくなります。

熱や酸、塩分、アルコールなどに強くて断熱性や殺菌効果にも優れ、さらに吸い付くような手触りや口当たりは、一度使い慣れると、ほかの素材では物足りなくなるほど。自然素材だけでつくられているので、毎日安心して使うことができます。

■Point
自然素材だけでできた輪島塗は、人にも環境にも優しい

 

3.上塗りし直せば新品同様。修理して使い続ける悠久の器

最後にお伝えしたい輪島塗の魅力。それは、使い続けるほど愛着が増す、ということです。

漆器は使うたびに風合いを増していくことから、「器を育てる」楽しみがあります。

店頭などで並べてみると一目瞭然ですが、見本として置いてある輪島塗のお椀と、箱にしまってあるお椀を並べてみると、前者の方がピカピカと輝いています。これは、人が漆器を手に取って鑑賞するうちに、漆が水分を吸って美しく成長した証し。ウレタン塗装などを用いた安価な漆器風の器では、このような変化は起こりません。

また、長年使い続けて欠けたり変色したりしても、修理して元どおりに再生できるのも魅力。

輪島塗の場合、堅牢な下地によって傷や剥げが深部に及ばないため、表面を研ぎ落として上塗りを施すだけで、本来の姿によみがえらせることができます。

お直しについてはこちらもご覧ください。


美しく、丈夫で長持ち。自然の材料で作られているので、人にも環境にも害がない輪島塗。

材料を吟味し、手間暇をかけて作り上げる輪島塗は、大量生産される商品と比べれば、決して安くはありません。しかし、修理しながら末代まで受け継げると考えれば経済的ですし、環境への意識が高まる今、エコな観点からも注目されています。

日々の暮らしで美しいものに触れることで、人生をいつくしむ。

魅力ある輪島塗が、その手助けとなってくれるかもしれません。

 

【田谷漆器店 10代目・田谷昂大】

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