輪島塗のお重は魅力がいっぱい。賢く選ぶ、賢く使う

「全日本人味噌汁椀輪島塗化計画」ブログでは、輪島塗の食器をもっと普段の食卓で使ってほしいと願い、とくに味噌汁椀こそが輪島塗の魅力が一番伝わると考えている田谷漆器店・田谷昂大が、輪島塗の良さや使い方、味噌汁椀をはじめとするお勧めのアイテムなどをご紹介していきます。

 

漆塗りの重箱といえば、お正月や慶事に使うもの。
そう思っていませんか?

確かにそれもありますが
お重は本来、もっと自由度の高い器です。

日常の食卓で輪島塗のお重を使ってみる。

そうすれば、お重がいかに使いやすく、食卓に華やぎをもたらす器か、
お分かりいただけると思います。

そこで今回は、一つあると重宝する輪島塗の重箱について
種類や特徴、幅広い使い方などをご紹介します。

 

目次

1.定番の三段重だけじゃない! こんなカタチもおすすめ

2.基本の色は黒か朱。蒔絵や沈金を施した絢爛豪華な重箱も

3.見えない部分に光る、輪島塗の職人技

4.ガラスや陶磁器と組み合わせる、花を飾る。使い方はアイデア次第

5.輪島塗の重箱で思い出をはぐくむ

 

1.定番の三段重だけじゃない! こんなカタチもおすすめ

「重箱」と聞いて、まず思い浮かぶのは
黒色や朱色の四角い三段重ではないでしょうか?

しかし、ちょっと待ってください。
その固定観念だけで重箱を選んでしまっては、もったいない!

重箱にはもっと豊富な色や形のバリエーションがあるのです。


まずは「大きさ」と「形」について。

重箱の大きさは「寸」という単位で表記されることが多く、お正月用のおせち料理などに使われる一般的な3、4人用サイズは6.5寸(一辺が約19.5cm)。大皿に見立ててサラダやローストビーフなどを盛り付けてもいいですし、一段で使えば、一人用サイズの松花堂弁当としても使える大きさです。

少し小ぶりな5寸(一辺が約15cm)サイズなどは、少人数のご家庭にちょうどいいサイズ。収納スペースも取らないので持ち運びしやすいですし、小さな食卓に並べやすくて収納もしやすい。使い勝手のいい大きさだと思います。


「形」においては、定番である正方形のほかにも、丸形、長方形、楕円(だえん)形などの商品が作られています。

「正方形」はスペースを無駄なく活用できるので、大人数の集まりなどに持参する際、いなり寿司や巻き寿司などを隙間なく詰め込むのに、もってこい。

「丸形」は、コロンとしたフォルムが気持ちを和らげてくれますし、食卓に並べた景色がなんともリズミカルで楽しくなる。後片付けの際にも洗いやすくて角をぶつける心配がないといった、扱いやすさも魅力です。

また、「長方形」や「楕円形」などの長細い形は
おもてなしの器として重宝します。

季節の和菓子やカラフルな洋菓子、手まり寿司などを盛りつけると
ジュエリーボックスのような「映え」効果もばっちり。

白いテーブルクロスを敷いた食卓に長細いお重を並べるだけで、
小洒落たダイニングへとアップグレードしてくれます。

■Point
丸形や長方形。定番以外のフォルムで食卓を演出。

 

2.基本の色は黒か朱。蒔絵や沈金を施した絢爛豪華な重箱も

続いては、「色」と「柄」について。

以前、「色」をテーマに取り上げたブログでも書きましたが、今は顔料(色の粉)などの開発が進み、オーダーで注文すれば、好みの色で仕上げることが可能です。

しかし、輪島塗のお重となると、それなりの価格もしますから、お皿などの食器のように、いくつもコレクションできるものではありません。

それに、輪島塗はとても丈夫で、修理しながら末代まで使い続けられますから、飽きのこない定番カラーの「黒」や「朱」、朱漆に朱合漆を重ねて塗る「溜塗り(ためぬり)」などがオススメです。

自然由来の漆を塗り重ねたお重は、同じ色でも一つひとつ風合いが異なりますし、使っていくうちに味わいがうまれます。自分だけの色に育てていく楽しみがあるのも、漆の重箱ならでは。

●溜に金


日常づかいの器として気兼ねなく使いたい場合は、シンプルな無地を。

そして長く持ち続けることを考えれば、蒔絵(まきえ/漆で描いた絵柄に金粉や銀粉を蒔きつける技法)や沈金(ちんきん/細かい刃物で文様を彫り、金箔を刷り込んだもの)を施したお重も、節句などハレの日に重宝します。

●日本昔話

■Point
飽きのこない定番色を自分だけのカラーに育てる楽しみも。

 

3.見えない部分に光る、輪島塗の職人技

120以上もの工程があり、それぞれの仕事を専門の職人が受け持つ「分業制」を特徴とする輪島塗。

先ほど、重箱の形についてご紹介しましたが、重箱の土台となる木地づくりにも木地師(きじし)と呼ばれる専門の職人さんたちがいて、さらに木地の種類によってそれぞれの職人さんがいます。

たとえば、四角い重箱のような形は「指物(さしもの)」といい、これを手がけるのは指物師。木を板状にして組み合わせ、箱を作ります。漆を塗った完成品だと見えませんが、板が組み合わさる部分の接(つ)ぎ手や組み手などに職人技が光ります。

また、丸い形をした重箱は「曲物(まげもの)」といい、こちらは曲物師の仕事。薄くした板に型を押し当て、丸めたものに底板を入れると、わっぱの器が出来上がります。

こうした木地の仕事では原木を2、3年乾燥させ、さらに成形したあとも一定期間乾燥させるなど、長い期間を要します。しかし、木地づくりは、あくまでスタートライン。ここからようやく、丈夫な土台を作るための下地づくりが始まります。削って、塗って、磨いてと、さらに多くの職人たちの手から手へと引き継がれ、膨大な時間をかけて作られているのです。

■Point
分業制による職人技が結集した輪島塗の重箱。

 

4.ガラスや陶磁器と組み合わせる、花を飾る。使い方はアイデア次第

こうして手間暇かけて作られた輪島塗の重箱は、見た目の美しさはもちろん、圧倒的な堅牢性も魅力。さらに使ったぶんだけ風合いが増しますから、どんどん日常づかいをしてください。

「でも、三段のお重なんて、どう使えばいいか分からない……」

そんな声も聞こえてきそうですが、どうぞ堅苦しく考えないで。

三段重といっても、三段すべてに料理を詰めなければいけないという決まりはありません。バラして一段だけで活用しても構わないのです。

お重は、どんな料理もご馳走に変えて、食卓を一新するパワーがあります。

お重のフタや重台(重箱を載せる台)を大皿代わりにして、ガラスや陶磁器との組み合わせを楽しんでみる。

お重の隅々まで料理を詰めなくてもいいと分かれば、一段のお重にお握りや卵焼き、惣菜などをランダムに並べて、小料理屋風に盛りつけてみる。

あるいは、お重を花器に見立てて、同系カラーの花を一面にあしらってみる。

丹精込めて作られたお重を毎日惜しげもなく使い、洗い清め、拭き、仕舞うという一連の所作は、暮らしとていねいに向き合うことにも繋がります。

■Point
パーツごとに使い分ければ、さらに活躍の幅が広がる

 

5.輪島塗の重箱で思い出をはぐくむ

お花見や運動会などで手料理を詰めた重箱を広げ、家族でおにぎりや唐揚げを頬張りながら、和気あいあい。そうした光景を見かける機会はめっきり少なくなりました。

お正月におせち料理、お盆にはおはぎを詰めたお重に、みんなで仲良く箸を寄せ合う。

思えば、重箱は人が集う場所、思い出をはぐくむシーンに欠かせない器としての役割を担ってきました。

自然由来の漆には殺菌効果がありますから、漆塗りの重箱は作り置きした料理を入れておく保存容器として優秀です。

家にゲストを招く際、作った料理をお重に詰めておけば、料理の風味を損なうことなく美味しい状態をキープしてくれる。

ホスト役だからとキッチンに立ちっぱなしでいることなく、一緒に楽しい時間を過ごすことができます。


自分の楽しみを追求するだけの立場から卒業し、周りへ楽しみを提供していく。
もてなされる側から、もてなす側へまわる。


真の大人になる第一歩として、また、大切な人との思い出をつむぐ器として、輪島塗のお重を食器のレパートリーに加えてみませんか?

【田谷漆器店・田谷昂大】

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