螺鈿(らでん)の輪島塗。くらしの器でアートを愛でる

「全日本人味噌汁椀輪島塗化計画」ブログでは、輪島塗の食器をもっと普段の食卓で使ってほしいと願い、とくに味噌汁椀こそが輪島塗の魅力が一番伝わると考えている田谷漆器店10代目・田谷昂大が、輪島塗の良さや使い方、味噌汁椀をはじめとするお勧めのアイテムなどをご紹介していきます。

上品なパール色や、妖艶にきらめく玉虫色。

光の反射や見る角度によって変化する輝きが魅力の「螺鈿」は、輪島塗をはじめとする漆器の加飾(かしょく/装飾)技法の一つです。

螺鈿の神秘的な輝きと漆の艶やかな光沢が出合い、芸術性を高めてきた輪島塗。

そこで今回は、輪島塗を魅力的に彩る螺鈿の特徴や歴史、商品について、ご紹介したいと思います。

目次

1.宝石のようにきらめく螺鈿の光沢の秘密とは?

2.螺鈿と漆器の歴史をたどる

3.螺鈿の緻密な作業工程とは?

4.普段使いしやすい螺鈿の輪島塗を手に入れる

 

1.宝石のようにきらめく螺鈿の光沢の秘密とは?

螺鈿とは、薄い板状に加工した貝殻を文様(もんよう/絵柄)に切り出し、漆地に貼り付けて装飾する技法のこと。

「螺」は螺旋状の殻を持つ貝を、「鈿」は金属や貝をちりばめた装飾のことを指し、貝殻の色彩をいかした宝石のような輝きが魅力です。

螺鈿に使う貝には、アワビや夜光貝(やこうがい)、白蝶貝(しろちょうがい)などがあり、厚さ1mm前後の厚貝(あつがい)と、0.3mm程度の薄貝(うすがい)に分けられます。極めて薄いものを青貝(あおがい)といい、この青貝を使った螺鈿を、青貝細工とも呼びます。

黒や朱色の漆塗りだけでも美しい輪島塗ですが、螺鈿などの装飾を施すことで、風雅な漆芸品として鑑賞する楽しみの幅が広がります。

■Point
貝の厚みによって広がる表現

 

2.螺鈿と漆器の歴史をたどる

日本に螺鈿が伝わったのは、遣唐使などによる大陸との交流が盛んだった奈良時代。正倉院に残る宝物の多くに螺鈿の技術が見受けられ、これが日本における螺鈿の源と考えられています。

平安時代に入ると、日本的な螺鈿の装飾が発展。螺鈿と同じく漆器の加飾技法である蒔絵(まきえ)と併用した装飾が多用されるようになり、平等院鳳凰堂や中尊寺金色堂といった建造物の内部装飾に、それらの技術が生かされています。

さらに安土桃山時代になると、ヨーロッパとの貿易によって螺鈿産業は急成長を見せ、螺鈿や蒔絵をすき間なく装飾した「南蛮漆器」と呼ばれる輸出用の漆器を製造。ヨーロッパではステータスの証しとして人気を集めました。

■Point
螺鈿と蒔絵の併用で、日本独得の漆芸品が発展

 

3.螺鈿の緻密な作業工程とは?

螺鈿の作業工程としては、薄貝を使う場合、極薄の板状になった貝から絵柄のパーツを切り抜き、裏側に接着剤となる漆を塗って、漆器の表面に貼り付けます。

数日かけて漆が固まったら漆器全体に呂色漆(ろいろうるし)を塗りこみますが、このとき、貼った貝の高さとの段差が出ないよう、漆を厚めに塗ります。

漆器全体の漆が固まったら、貝の上にかかった漆膜を刃物で剥ぎ取りながら研ぎ出し、艶が出るまで表面を磨くと完成です。

貝殻は一つひとつ色みや輝き方も違うため、デザインによって極小の貝片を選り分け、貼り合わせていく作業には、大変な手間と根気を要します。

漆と貝殻という自然素材が出合い、職人たちの高度な技術によって形となった唯一無二の輝きこそが、螺鈿が長い歴史の中で人々に愛されてきた理由といえます。

■Point
漆と貝殻、職人技によって完成する唯一無二の輝き

 

4.普段使いしやすい螺鈿の輪島塗を手に入れる

輪島塗の美しさをより引き立ててくれる螺鈿。ペンダントやイヤリングといった宝飾品から豪華絢爛な絵柄を施したお皿や蓋つきの汁椀までさまざまな商品がありますが、装飾や手間の入り方によって数万円から数十万円までと、価格帯にも開きがあります。

ただ、本物の漆をまとった輪島塗は、使ってこそ輝きを増すもの。まずは普段使いしやすい、ワンポイントなどシンプルなデザインの螺鈿を施した輪島塗をオススメします。

たとえば、私ども田谷漆器店で取り扱っている「三日月猫」という、輪島塗のぐい飲み。

螺鈿と蒔絵を組み合わせて模様を描き、カラフルに輝く螺鈿の三日月と可愛らしい猫がアクセント。ポップなデザインに仕上げました。

一般的なぐい飲みよりもスリムで深さがあるので、お酒に限らず、お茶やコーヒーを飲んだり、デザートに使いいただいたりと、幅広い用途にお使いいただけます。

熱を通しにくい輪島塗は、温かいお茶やコーヒーを入れても外側が熱くならず、冷たいデザートを入れても水滴がつきにくい。とても使い勝手が良いのです。

田谷漆器店のYouTubeチャンネル「TAYAちゃん! 輪島塗 田谷漆器店」でも、わたしと祖母がこの器でエスプレッソを楽しんでいる動画をアップしています!

と、ここまでご紹介しつつ、特選ストアには掲載していないため、誠に恐れ入りますが、お問い合わせフォームからお尋ねいただけますと幸いです。


螺鈿の神秘的な輝きは、想像力をかき立ててくれます。

わたしは輪島塗の螺鈿を眺めていると、輪島塗のふる里・石川県輪島市から見渡す日本海を思い浮かべます。みなさんは、どんな風景を思い浮かべるでしょう?

【田谷漆器店 10代目・田谷昂大】

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